まず古着をこよなく愛する井戸端会議士こと、 遠藤萌子を紹介しよう。
「ずっと使い続けられ、その魅力が時代を超えて生き続けるのが、ヴィンテージファッション。使い込むほどに味わいが増していく。そんな価値観が古着の魅力だと思う」
という捨てる神あれば拾う神ありの古着屋を文字通り生業としている彼女だが、外見は多少ハデ目で個性的な姉御肌の女性だが、中身はまっとうな大和撫子という。このギャップが魅力的だ。
で、それ以上に彼女の特技は井戸端会議である。 世間の人は、敬意を払って、士業でもないのに、彼女を井戸端会議士と呼んでいる。 それほど話し好きである。 通りがかりのおばはんに無遠慮に語りかける大阪のおばはんには遠く及ばないが、 若い子をつかまえては話し込まずにはいられないのは遺伝的な性分だろう。
将来は、おばあちゃんになってもハデで人気者になりたい!とのたまう姿はおよそ日本人離れしている存在であるのだ。 text by Kotaro
一方、相方の原子刺青師を標榜するトリップスターの遠藤英治は、 かつては有名ブランドのデザイナー、あるときは夢先案内人、 意外と苦労人でもあるのだが、そんな姿はおくびにも出さず、 やさしげな雰囲気を身にまとった、じつはアウトローである。
自分を称して「いい加減、適当」な人間と言い放つ人間にほんとうのいい加減なやつはいないと思うのだがどうだろう。
この二人が出会って、夫婦になり、 好転反応が起き、家族が生まれ、触媒で核分裂しながら、 お互いが支え合い新しい価値観を見出しつつある。
陰謀論から立ち上がり、今ではナチュラル思考に目覚め、 なにごとにも縛られず、家族みんなでたのしく過ごしたいと願う2人はきょうも、愛嬌をご本尊として、 本厚木で遊びながらのうのうと暮らしているのである。 text by Kotaro